ネズミのフンの掃除にファブリーズは使える?消毒効果はあるの?

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人体に悪影響を及ぼす可能性があるネズミのフン。発見したらすぐに掃除とウィルス除去が必要です。

「消毒ができるものは…」と家の中を探して「ファブリーズ」を手にした人がいるかもしれませんが、残念ながらファブリーズはネズミのフンの掃除には適していません。

パッケージに「除菌」って書いてるのになぜ?

実際のところネズミの糞尿には推奨される消毒方法があり、専門家による適切なアドバイスが不可欠です。

市販の除菌消臭剤だけで対応しようとすると、見えない危険を残すことになるかもしれません。

そこで、当記事ではファブリーズの特徴や、ネズミのフンの掃除にどのような対策が最適なのかを解説していきます。


\日本有害鳥獣駆除・防除管理協会加盟/

目次

ネズミのフンがもたらすリスク

私たちの生活環境にはさまざまな害虫や害獣が存在しますが、特に厄介なのがネズミです。

家庭はもちろん、オフィスや倉庫、飲食店など、人が生活する場所ならどこにでも出没します。

ネズミの被害で特に気をつけたいのが衛生的な問題です。彼らが残したフンは見た目の不快さだけでなく、健康上の危険をもたらす多くの病原菌が潜んでおり、発見次第に迅速な処理が求められます。

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ネズミのフンに含まれる病原菌

ハンタウイルス

ハンタウイルスは主にネズミが保有しているウイルスです。ネズミに噛まれたり、フンに触れたり、糞尿を含んだホコリを吸い込んだりすることで「ハンタウイルス感染症」を発症するリスクがあります。

特に米国、カナダ、南米で発生した「ハンタウイルス肺症候群」は約40%が死亡するという恐ろしい疾患です。

サルモネラ菌

ネズミの糞尿にはサルモネラ菌が多く含まれています。

その糞尿に直接触れたり、食品に付着することで人間に感染し、発熱、下痢、腹痛などの症状を引き起こす可能性があります。

飲食店や商店での発生は致命的な問題となるので、ネズミのフンを発見したら早急に掃除と消毒作業が必要です。

レプトスピラ菌

レプトスピラ症は、レプトスピラ菌によって引き起こされる急性熱性疾患です。

ネズミの尿から放出されたレプトスピラ菌が水や土壌を汚染し、その汚染された水に触れることで皮膚や粘膜から侵入して感染します。

人間だけでなく、犬や猫などのペットにも感染するので注意しましょう。

ネズミのフンの特徴

日本の家屋に出現する家ネズミは「ドブネズミ」「クマネズミ」「ハツカネズミ」の3種です。

彼らが排泄するフンにはそれぞれに特徴があるため、フンを見ればおおよその種類を特定することができます。

種類を特定すれば駆除計画の精度が高まるので、知っておくと良いでしょう。

ネズミのフンの除菌に「ファブリーズ」は使えるの?

P&Gから発売されている消臭剤「ファブリーズ」は消臭効果が高く、一般家庭に広く普及しています。

2023年現在で70種類以上もの製品ラインナップを揃える人気シリーズとなっており、リビングや玄関、風呂場、トイレなど、様々な場所で活用されています。

中でも「ファブリーズW除菌+消臭 プレミアム 無香料」「ファブリーズW除菌 ウイルス除去成分最高レベル」のように除菌をうたう商品は、消費者の感染症への危機感の高まりもあり、人気商品となっています。

ファブリーズはその簡単な使用方法と効果的な消臭力で、清潔を保ちたい多くの場面で活躍するアイテムです。

しかしファブリーズはあくまで「消臭剤」であって、消毒効果を期待するのは難しく、ネズミのフンの掃除にはおすすめできません。

ファブリーズの公式サイトによると主な成分は以下の通りとなっています。

  • トウモロコシ由来消臭成分
  • 除菌成分(有機系)
  • 水溶性凝集成分
  • 香料

商品によって成分は異なります

ファブリーズの消臭成分

ファブリーズにはトウモロコシ由来の「メチル化βシクロデキストリン」という成分が含まれています。

この成分がニオイ分子を取り込み、その分子の性質を変化させることでニオイを消臭します。

ファブリーズはこの画期的なナノテクノロジーによって高い消臭効果を発揮するのです。

ファブリーズの除菌成分

ファブリーズはQuat(クウォット)という除菌成分を含んでいます。

これは「第4級アンモニウム化合物」のことで、詳細の公表はありませんが「塩化ベンザルコニウム」など2種類のQuatが含まれていると推測されています。

塩化ベンザルコニウムは通常の使用濃度であれば安全性が高く、医療現場で使用されたり、家庭向けの洗剤などにも含まれている除菌成分です。

ファブリーズがネズミのフンの除菌に推奨できない理由

成分や濃度がハッキリわからないため

ファブリーズの裏面パッケージやホームページを確認する限り、明確な成分の表示はありません。

成分の希釈濃度も不明であるため、ネズミのフンの消毒に有効かどうかの判断はできません。

排泄物への除菌効果が期待できないため

八雲保健所のホームページでの解説によれば、排泄物に含まれるサルモネラ菌の消毒に効果があるものは次亜塩素酸ナトリウムのみで、その他は効果がない(効果が不明)としています。

ウイルスの除去を目的とするならば、除菌消臭剤よりも次亜塩素酸ナトリウムを使用して掃除をおこなう方がよいでしょう。

渡島総合振興局保健環境部「細菌などを消毒する薬剤

○:効果あり △:効果はあるが注意して使用
?:効果に疑問がある ×:効果なし ―:使用不適 
消毒とは、対象とする微生物を感染症を引き起こしえない水準まで殺菌または減少させる方法をいいます。

P&G様に直接聞いてみた結果

ファブリーズは動物の排泄物の消毒や消臭に効果があるのか、メーカーであるP&G様に直接問い合わせてみました。

P&G様からの回答


ファブリーズ布用スプレーは、ご家庭にある布製品を消臭・除菌し、爽やかに保っていただくための製品です。殺菌や消毒を目的とした製品ではなく、その効果も確認できておりません。

また、ファブリーズが対象としているのは、普段の私たちの生活において身の回りに存在する、ニオイの元となる菌であり、これらにおいて優れた効果を発揮します。

これらの菌は、布製品など私たちの周りに多く存在している一般的な菌で、汗などの人体から分泌される老廃物などを分解する際、いやなニオイを発することがあります。

このようなニオイの元となる菌や汗・体臭・タバコ・焼き肉などの食べ物のニオイに対して、消臭・除菌効果がございます。

ファブリーズはあくまで布製品を主とした消臭剤であり、動物の排泄物に対しての消毒効果は確認していないとのこと。

日常生活で発生する嫌なニオイの元となる菌に対しての除菌効果は期待できるものの、ネズミの糞尿の消毒には向かないようです。

「除菌」と「消毒」の違い

ファブリーズが表記している「除菌」という単語は商業用語であり、消臭剤や洗剤などの雑貨品でよく使われる単語です。

菌を取り除くという意味ですが、対象や程度を含まず範囲の広い概念となっています。

対して「消毒」は「病原微生物を殺すこと(殺菌など)、または病原微生物の能力を減退させ病原性を無くすこと(wikipedia)」とされています。

消毒という言葉は薬機法により医薬品や医薬部外品にしか記載できません。

専門家が推奨するネズミのフンの掃除方法

ネズミのフンを自分で掃除する

公益社団法人 福岡県薬剤師会では下記のようなネズミのフンの清掃方法を推奨しています。

糞等を取り除いたあと水拭きし、消毒用アルコールでの清拭程度でよい。ただし、調理台や食器、調理器具など、間接的に食品が汚染される危険性のある場所や器具については、よく洗浄し、次亜塩素酸ナトリウムで消毒する(下表)。

公益社団法人 福岡県薬剤師会
対象次亜塩素酸ナトリウムの濃度、方法
家具、器具、
物品、食器等
0.02~0.05%(200~500ppm)
清拭
衣類等0.02~0.05%(200~500ppm)
30分以上浸漬
公益社団法人 福岡県薬剤師会

次亜塩素酸ナトリウムは「ブリーチ」や「キッチンハイター」などの名称で販売されている家庭用の漂白剤に含まれており代用が可能です。

画像引用:厚生労働省

ネズミの駆除とフンの消毒を専門業者に依頼する

ネズミのフンを発見したならば早急な駆除対応と消毒作業が必要です。

しかし天井裏や床下など、人目につかない場所にもフンがある可能性があり、素人には難しい作業となります。

ですから、ネズミの駆除から再発防止、清掃消毒などの一連の作業はプロの業者に依頼するのがおすすめです。

放置しているとネズミはどんどん増えていき、被害が拡大する可能性もあります。

専門の駆除業者に依頼して効率的に確実に駆除と消毒を実施してもらいましょう。

おすすめの害獣駆除業者

関東・関西・東海・中四国・九州の害獣駆除ならば「害獣BUZZ」がおすすめです。日本有害鳥獣駆除・防除管理協会に加盟しており「安心・安全・高品質」な施工に取り組んでいる安心の優良業者です。

現地調査や見積もり、出張費などが無料であるため、まずは概算見積もりを依頼してみると良いでしょう。

糞尿による臭いの除去や除菌など、屋根裏や床下に潜り込んでおこなう作業は、素人には難しいものです。

手がつけられないようになる前に、専門家に相談してみることをおすすめします。

\日本有害鳥獣駆除・防除管理協会加盟/

この記事を書いた人

「害虫獣駆除の教科書」編集部

当サイトでは筆者が害虫や害獣に関わってきた知見をもとに、その駆除・予防などに役立つ情報をお届けしています。図解やイラストなども交えてわかりやすく解説することを心がけております。厄介な害虫獣に困っている人に対して、解決の一助となりましたら幸いです。

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