家にネズミの気配を感じたのならば、早期の対策が必要となります。
ネズミを追い出す方法を考える中で「ネズミをハイターの匂いで撃退できないか?」という話もよく聞きますが実際の効果はいかほどのものでしょうか?
先に結論をいうと「ハイター」を忌避剤として使用する方法は推奨できません。
この記事ではハイターをネズミ避けの忌避剤として使用しない方がよい理由について詳しく解説します。
ネズミを早く駆除したい人は
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ハイターとは
「ハイター」は次亜塩素酸ナトリウムを主成分とした家庭用塩素系漂白剤です。
多くの家庭で活用されており、漂白剤全般を「ハイター」と呼ぶ人も少なくありませんが、実は「ハイター」は商品名であり花王株式会社が登録している商標です。
そのため、花王以外の会社から発売されている塩素系漂白剤は「ブリーチ」などの名称で販売されています。
宅配便のことを宅急便(ヤマト運輸)、油性マーカーのことをマジック(内田洋行)、絆創膏のことをバンドエイド(J&J)と呼ぶのと同じように通称化されています。
ハイターの漂白効果と除菌消臭効果
「ハイター」に含まれている次亜塩素酸ナトリウムには強い漂白効果があり、洗剤だけでは落とせない衣類の黄ばみや黒ずみ落としなどに利用されています。
また「除菌・消臭効果」も期待できるため、台所やトイレ、風呂場などの清掃にも使用することできます。
ハイターはさまざまな場所で活用できるので、家庭で必ず常備しておきたいアイテムです。
ハイターの匂い
ハイターは特有の「ツーン」とした匂いがあります。これは主成分である次亜塩素酸ナトリウムによるもので、ハイターの安全データシートによると匂いそのものには強い毒性はありません。
しかし気分が悪くなったりする人も多く、匂いが嫌いな人も多いはずです。
マジックリンとハイターの匂いが臭くて、気分悪い。。。。。
— JunkoF (@junfujimoto) December 15, 2010
思わず逃げ出したくなるような匂いなので「ネズミにも効果があるのでは?」と、忌避剤として利用する人もいるようです。
ネズミへのハイターの匂いの忌避効果
ハイターの匂いがネズミに対して忌避効果を持つかどうかについての研究は不足しています。
海外の民間業者や個人のサイトでは「ネズミは漂白剤の匂いを嫌う」という記述も見られましたが科学的根拠に乏しく、残念ながら確立された証拠を探すことはできませんでした。
ここからは筆者の想像ですが、成分の次亜塩素酸ナトリウムや水酸化ナトリウムの経口摂取は深刻な害をもたらすため、ネズミもその危険性を直感的に感じ、ツーンとした匂いは忌避するはずだと考えます。
しかし液体のハイターを忌避剤として撒いても時間の経過で匂いも消えてしまうため、忌避効果は見込めないものと考えます。
◇
ハイターをネズミの忌避剤として使ってはダメな理由
そもそもハイターは取扱に注意しなければならないものであり、忌避剤として使うことは推奨できません。
ハイターは洗濯や掃除などで活用できる便利アイテムである一方で、使い方を間違えると思わぬ事故に繋がりかねません。
ネズミをハイターの匂いで撃退しようと原液を設置するのは絶対にやめましょう。
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理由1.ハイターは有毒ガスを発生する可能性があるから
塩素系漂白剤に含まれる次亜塩素酸ナトリウムが酸性のものに反応すると、塩素ガスが発生するという特性があります。
この塩素ガスは強い刺激性を持つガスであり、人体に対して様々な影響を与える可能性があります。
ガスを吸入すると喉の痛みや咳、息苦しさ、気管支炎や肺水腫などの重篤な呼吸障害を引き起こすこともあり、非常に注意が必要です。
実は飢えたネズミの尿はPH値が6.2から5.8の弱酸性であり、次亜塩素酸ナトリウムとの反応による塩素ガス発生の可能性を拭えません。
理由2.ハイターは金属を錆びさせるから
ハイターの取扱説明には「金属には使わないように」と書かれています。
これはハイターに含まれる次亜塩素酸ナトリウムが酸化還元反応を起こし「錆び」を発生させるためです。
様々な場所で使用されている家屋の金属部品などが錆びると老朽化が加速度的に進行してしまいます。
理由3.ハイターの強アルカリ性が皮膚を傷めるから
「ハイター」「キッチンハイター」は非常にアルカリ性の強い製品であり、薄めた液でも皮膚を傷めるおそれがあります。手指などへのご使用はおやめください。皮膚についた時はすぐに水で十分洗い流してください。
花王株式会社
ハイターが手に付着するとぬるぬるするのは皮膚が溶けているからです。
すぐに洗えば問題ありませんが、目に入ったりすると非常に危険です。
また人間だけでなくペットにも被害を与える可能性もあるため、ハイター原液を忌避剤として設置しないようにしましょう。
ネズミ処分としてハイターは使えるか
捕獲したネズミを殺処分する際にハイターを使う人がいますが、これも推奨できません。
ハイターに含まれる水酸化ナトリウムは強いアルカリ性の成分で、溶液の中に生物を長時間漬け込むと骨まで溶けて無くなるほどの強力なものです。
ですからネズミにかけると毛が溶けて皮膚がただれ、やがて死に追いやります。
ネズミが保有している菌ごと消滅させるので殺処分方法として利用する人も少なからず存在します。しかし拷問とも言えるようなやり過ぎた方法であり、害獣だとはいえどもハイターを直接的に生物にかけることは倫理的観点から絶対におすすめできません。
ネズミの駆除は専門業者に任せるのがおすすめ
ホームセンターなどで販売されている忌避剤やネズミ捕りなども一定の効果がありますが、真に効果的な対策を行うためにはプロの駆除業者に依頼するのが確実です。
駆除業者はネズミの生態や習性を理解しているため、一時的な駆除だけでなく恒久的な予防対策までおこなってくれます。
糞や死骸の処理など誰もが嫌がる作業まで任せることができ、衛生面を考慮しても業者に任せるのがよいでしょう。自分での対処に限界を感じたら、早めにプロに依頼してみてください。
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現地調査や見積もり、出張費などが無料であるため、まずは概算見積もりを依頼してみると良いでしょう。
糞尿による臭いの除去や除菌など、屋根裏や床下に潜り込んでおこなう作業は、素人には難しいものです。
手がつけられないようになる前に、専門家に相談してみることをおすすめします。
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この記事を書いた人
当サイトでは筆者が害虫や害獣に関わってきた知見をもとに、その駆除・予防などに役立つ情報をお届けしています。図解やイラストなども交えてわかりやすく解説することを心がけております。厄介な害虫獣に困っている人に対して、解決の一助となりましたら幸いです。